高齢者を狙うリフォーム詐欺の典型的な手口
リフォーム詐欺では、突然の訪問や電話勧誘をきっかけに、必要のない工事を高額で契約させるケースが多く見られます。業者は「屋根が崩れそう」「床下の湿気で腐食が進んでいる」といった、見えにくく判断しづらい箇所に危険性を感じさせ、即決を促してきます。見積もりを提示せずに口頭だけで説明し、その場で契約書にサインさせるという手口も珍しくありません。
「火災保険が使える」「市の補助金で安くなる」といった言葉を用いて安心感を演出しながら、最終的には全額自己負担となる契約に至る事例も確認されています。工事内容がずさんだったり、そもそも工事自体が行われなかったり、高額な追加費用を請求されたりするなど、被害の内容も多岐にわたります。
こうした詐欺は、情報収集が難しい高齢者や、家の維持管理に不安を感じている人、専門知識がない人を主なターゲットにしており、周囲のサポートがない場合には被害が拡大しやすい傾向にあります。本人の意識だけでは限界があるかもしれません。
実際に報告されている被害事例
消費者庁や各自治体の調査によると、直近のデータでは住宅修理に関する消費生活相談の約6割が60歳以上の高齢者から寄せられています。なかでも多くを占めているのが、屋根や外壁の修理に関する契約です。業者の話を鵜呑みにして、高額な工事を依頼してしまったという報告が後を絶ちません。
例えば、東京都内で暮らす高齢者が「無料で点検します」と訪問してきた業者を自宅に入れてしまい、その場で「瓦がずれていて雨漏りの危険がある」と説明を受け、100万円を超える契約をその場で交わしてしまった事例があります。
被害は金銭面にとどまらず、精神的なショックや家族関係の悪化にもつながります。工事後に不備が見つかっても業者とは連絡が取れず、すでに会社の連絡先が使えなくなっていたというケースもありました。時間が経つほど、解決は難しくなるでしょう。
詐欺被害を防ぐための対策
リフォーム詐欺の被害を防ぐためには、いくつかの基本的な行動が有効です。まず、訪問販売には安易に応じず、その場で契約を決めないことが大切です。不安をあおるような言葉に対しては、一呼吸おいて第三者へ相談する姿勢を持ちましょう。
工事を本格的に検討する場合には、複数の業者から見積もりを取り、工事内容や費用を比較検討することが欠かせません。契約書はその場で決めずに持ち帰り、家族や信頼できる人、または消費生活センターなどの第三者機関に確認してもらうと安心です。
訪問販売や電話勧誘販売で契約した場合は、契約書を受け取ってから8日以内であれば「クーリング・オフ制度」を利用して無条件で契約を解除できます。ただし、自分から業者に依頼した場合や店舗で契約した場合は適用されません。この制度の存在をあらかじめ知っておくことで、万が一のときにも冷静に対処できるはずです。
また、消費生活センターや「住まいるダイヤル」などの公的な相談窓口を早めに活用することも、被害防止につながります。高齢者本人だけでなく、家族や近所の人が気を配ることで、詐欺の入り込む隙を小さくすることができるでしょう。
