深く掘り下げた商品
どんなに不景気であっても、商品が売れる経済の法則というものがあるそうです。
その法則とは、消費者の興奮の度合いが高いほど、商品の購買意欲が上昇する傾向にあるというものです。
これは簡単に言いますと、自分の好きでたまらないものなら、無理してでも消費者は買おうとするものだ、ということをあらわしています。
消費者の前に、見ていると心がときめいたり、うきうきするような魅力を放つ商品を置き、さらにそこから購買意欲をそそるように絶妙な仕掛けや演出を加味することによって、顧客をその商品の虜にするようにすれば、どれほど経済状況が悪い状況にあろうとも、売り上げを伸ばすことができるのです。
魅力的な商品で顧客を虜にするという手法の商法の代表的なものは、いわゆる「おたく」と言われる人たちを対象にした商品を販売するものです。
こういった業界では、限定生産のキャラクターのフィギュアやCD、タペストリーなどの関連商品を展開することによって、業績を伸ばしています。
昔はアニメ関連の業界の限定キャラクター商品の販売が多かったのですが、現在ではアニメだけでなく、ゲーム業界でもそういった限定キャラクター商品の販売が行われています。
魅力的な限定
最近では、ゲームソフトにゲームのキャラクターのフィギュアなどの関連グッズをつけた限定版のソフトも販売されるまでになりました。
また、ゲーム機そのものにもゲームソフトに対応した限定版がしばしば販売されており、人気のあるキャラクターのゲームソフトに対応したゲーム機の限定版は、瞬く間に売り切れてしまうほどです。
そして、バイクのファンを虜にする商法で着実に業績を伸ばしているバイクのメーカーもあります。
このメーカーは、世界的に名が知られている大型バイクのブランドを世に送り出している、ある有名バイクメーカーです。
このメーカーの大型バイクの新車の価格は、他のメーカーの2倍するのは当たり前なのだそうです。
たとえば、日本のバイクメーカーの1000㏄のバイクの新車が100万円だとしますと、この大型バイクのメーカーのバイクの新車はその2倍の200万円するのだそうです。
さらに、この有名バイクメーカーのバイクは、この新車を購入したあともさらに100万円かけて念入りにカスタマイズするのが一種の「楽しみ方のスタイル」ということになっていて、まさに贅沢品ともいえるものだといわれています。
にもかかわらずこのメーカーのバイクは、アメリカはもちろん、日本のバイク市場でトップのシェアを獲得しているのだそうです。
では、なぜこういったことがこのバイクメーカーは可能なのかといいますと、そのメーカーを熱烈に支持している、「このメーカーが出しているバイクのためなら、お金をいくら出してもかまわない」という熱狂的なファンがいるからなのだそうです。
このバイクメーカーは、自社の商品の「おたく」的な熱狂ファンを作り出すことによって、業績を大きく伸ばしているといえます。