欠食という深刻な問題がある日本
飽食の時代と呼ばれ食べ物がないということがなくなった日本で、1日に3度の食事ができない子がいると聞くとほかの国の話なのか?と疑問に思う大人も多いでしょう。
実際にたくさんの食品が流通している日本では、食べられる食品なのに捨てられる食品の量が646万トンあるのです。
そんな中で満足に食事ができない子がいると聞いてもピンとこないのも当然かもしれません。
経済的な問題で3色の食事を食べさせてあげられないという家もありますし、一人で食べる孤食が多くなったことで朝食を食べなかったり夕食もジャンクフードで済ませるなど食環境に問題を抱えている子供も多いのです。
そこで登場したのがフードロスと子供の孤食や欠食を防ぐ取り組み「子ども食堂」となります。
子ども食堂とはどういう仕組みなのか
子ども食堂は孤食や欠食をなくし子どもの健全な食生活をサポートしようという取り組みで、地域によって公民館や空き店舗などを利用しボランティアで食事を提供しています。
週に1回から数回というペースで行われている子ども食堂は、募金や企業からの協賛金、現物寄付などによって食材を調達し子どもたちに食事の場を提供する取り組みです。
子供たちから徴収する費用も自治体や子ども食堂を行っているボランティアによって違いがありますが、通常100円から300円程度で利用できます。
自治体が中心となってこうした取り組みを行ってきたということではなく、ボランティアが立ち上がり自主的に行っていたものが草の根的に全国に広がりました。
現在では全国各地に2000箇所で子ども食堂が運営されています。
子ども食堂とフードロスの関係
子ども食堂がこうして全国に普及した理由には、フードロス対策が深く関係しています。
日本ではちょっと傷がる商品などすぐに売れなくなりますし、賞味期限が近付くと店頭から排除されますが、こうしたフードロスを減らそうという考えも合致して子ども食堂に寄付してはどうかというところも多くなっているのです。
食品衛生上に問題がない食品で食べられる食品に関しては「廃棄することを禁止する」法律の制定もうわさされています。
欠食や孤食など食生活が乱れているお子さんに関してもフードロス問題がプラスになるのですから、食品関係の企業や自治体などがタッグを組んで問題にしっかり取り組んでもらいたいものです。
子ども食堂があることのメリット
母子家庭が多くなり夏休みなど長期の休みがあると朝食や昼食をとらず夕食だけ食べるという子もいます。
一人で食べてもおいしくないのですがご家庭の事情もあり、どうしても孤食となってしまう場合もありますが、そういったときに子ども食堂があれば欠食も孤食も少なくできるでしょう。
地域のスーパーや食品を扱うところや農家さんなどが子ども食堂のことを知り、廃棄する食品類を分けてくれたりすることもあり、子ども食堂にとっても助かりますしフードロスを減らすことにつながります。
子ども食堂のネットワークがつながりうまく活動できるようになれば、お互いにお互いを助ける活動となるのです。
子ども食堂があることのデメリット
子ども食堂に行けばとりあえずご飯を食べられるということを知って、お金もご飯を作る時間もあるのに作らない親御さんがいるともいわれています。
子ども食堂は欠食や孤食をなくすということで行っている活動ですが、自分が楽をしたいとか家庭の食費を削りたいからと利用する人がいることも事実です。
自宅で保護者と一緒にご飯を食べるということが大前提で、それができない子供に対して行っている取り組みなのに別の思惑で利用されては困ります。
100円から300円でご飯を食べられる飲食店扱いで利用されるかもしれない、これは大きなデメリットです。