お客さまの要望を聞いて提供する未来食堂

従来の飲食業界にない未来食堂のかたち

従来の飲食業界では考えられなかった、新しいかたちの定食屋としてスタートしたのが、東京都千代田区一ツ橋にある「未来食堂」です。
未来食堂を創業したのは東工大数学科卒で、日本IBM「クックパッド」のエンジニアとして働いていた経験のある小林せかいです。

「あなたのふつうをあつらえます」をコンセプトとした未来食堂では、お客様の要望を聞いて好みに応じた調理をしてもらうことができます。
店内には半月ごとに入れ替わる珍しい書籍なども置いてあり、自分の家のようにくつろぎながら食事をすることができます。
決まりきったメニューの中から注文をするシステムの通常の飲食店とは違い、未来食堂のメニューは1日1種類と決まっています。
ご飯もおひつから各自が好きなだけよそうようになっており、その日の体調や食欲によって量を加減できるのが未来食堂の特徴です。

未来食堂のあつらえとは

未来食堂では、定食メニューの他に「あつらえ」の小鉢(400円)を頼むこともできます。
毎日異なった食材が用意されていますので、その中から好きな2品目を選び、味付けも醤油や味噌などから選んで注文するのがあつらえのシステムです。
例えばほうれん草と豚バラを選んで、「お醤油で味付けして」などと注文すれば、好みに合った小鉢が出てくるわけです。

「さしいれ」も未来食堂ならではのユニークなシステムで、カウンターに置いてある飲み物は誰でも無料で飲むことができます。
未来食堂では飲み物の持ち込みは無料で、その代わりに持ち込んだ飲み物の半分は置いて行かなければならないという決まりがあります。
これがさしいれのシステムで、この他に日本酒も一種類だけ置いてあり、一合800円で注文することができます。

まかないとは

ユニークなアイデアの詰まった未来食堂の中でも、特筆すべきなのが「まかない」制度です。
未来食堂は創業者が一人で切り盛りしていて、慢性的に人手が足りない状態です。
未来食堂のまかないというのは、50分間未来食堂のお手伝いをすれば一食がタダになる制度です。

まかない希望者は、未来食堂ホームページのカレンダーから希望の日時を選択することができます。
2回目以降のまかないは、メールやFacebookからでも申し込めるようになっています。
まかないの仕事内容は、荷物の搬入や朝の掃除、ランチタイム後の掃除と食器洗い、盆の上げ下げなどです。

まかないをして得た一食分の食事はその場で食べることもできますし、無料券を誰かにプレゼントしたり、後日自分が使ったりすることができます。
入り口の壁には、誰かがまかないをして得た「ただめし券」が貼ってあることもあります。