特定商取引法とは

特定商取引法についての基本的な知識

特定商取引法とは、悪質な消費者トラブルの原因となるような事業者による悪質な勧誘行為を規制するための法律です。
実態とは異なる商品・サービスの内容を説明し、購買意欲を促したうえで商品を購入させる、あるいは半ば強引にサービスを契約させる、といった行為が特定商取引法に違反する典型的な行為として挙げられます。
通信販売で購入したら注文したものとはまったく違うものが届いた、カタログに記載されていたものよりも著しくクオリティが低いものが届いた、といった例も商取引における典型的なトラブルの例として挙げられるでしょう。

もともとこうした違法・悪質な勧誘行為は大きな問題となっており、さまざまな消費者トラブルをもたらしてきました。
それに加え、近年では高齢化の進行やインターネットの普及、ネット利用者の若年感などがこうした問題をさらに深刻・複雑にしています。
一人暮らしの高齢者を狙った訪問販売、インターネット上にあふれかえるワンクリック詐欺をはじめとした悪質な詐欺商法など、こうした悪質な行為を法律で規制し、また違反者を罰する手段として特定商取引法が定められているのです。
悪質な事業者の手口に引っかからないよう、典型的な手口を知るための法律であり、また万一詐欺行為に引っかかってしまった時に消費者側を守ってくれるための法律とも言えます。

特定商取引法の対象となる商法とは?

まず筆頭に挙げられるのが、訪問販売です。
事業者が消費者の自宅やオフィスなどに直接訪問したうえで、商品の販売を行う行為です。
なお、これにはキャッチセールスやアポイントメントセールスも該当します。

それから通信販売も挙げられます。
ネット、新聞、雑誌、インターネットを通して広告・注文の受付を行い商品・サービスを行う手法です。
さらに電話で勧誘する電話勧誘販売も、同法律の対象となっています。

さらに手の込んだ商法として、「ねずみ算」とも呼ばれる連鎖販売取引も挙げられます。
個人を販売員として勧誘し、その個人に別の販売員の勧誘を促す商法です。
それから、長期的・継続的にサービスの提供を前提に契約・取引を行う商法です。
語学教室やエステサロンなどがこのタイプの商法の対象となっています。

ほかには業務提供誘引販売取引、これは「仕事を提供するから」という名目でその仕事(業務)に必要な商品を購入させる商法です。
そしてもうひとつ、訪問販売とは逆のパターンとなる「訪問取引」もあります。
バイクや車などでよく見られますが、事業者が消費者の自宅に直接訪れて物品の購入を行う行為(商法)も同法律の対象です。

こうした対象となる商法がすべて違反というわけではなく、それぞれの商法に応じて不当な勧誘行為の禁止や事業者の氏名の明示を義務付けるといった規制が設けられています。
消費者は、そうした規制の範囲内でビジネスを行っているかどうかでその事業者が信用できるかを判断するわけです。