非鉄金属業界について

非鉄金属業界の特徴とは

非鉄金属業界とは、その名の通り「鉄以外の金属を扱うビジネスを手掛けている業界」のことです。
金属資源を扱う業種のひとつとなるわけですが、大きな特徴として「リサイクルにかかわる機会が非常に多い業界」という点が挙げられます。

環境問題が年々深刻さを増している状況にあって、さまざまな業界でリサイクルへの動きが加速しています。
非鉄金属はとくにリサイクルしやすい面があり、廃棄された機器から非鉄を再利用することで循環型のビジネスモデルを築き上げることができます。
もちろん鉄もリサイクルできる資源ですが、ニッケルや銅、アルミなどの非鉄もこうしたリサイクルの動きのなかで注目を集めるようになっています。

そんな非鉄金属業界は、大きく分けて3つのビジネスモデルがあります。
まずは非鉄金属そのものの採掘で、この採掘には自然から非鉄金属を採掘するだけでなく、先述した家電などのリサイクル品に使用されている素材を回収・再利用することも含まれています。
とくに後者のビジネスが近年急速に市場規模を広げている状況なのです。

2つ目は、採取(回収)した非鉄金属を精錬する作業です。
自然から採取したものにしろ、リサイクル目的で回収したものにしろ、そのまま加工することはできませんから、純度を高めて製品化が可能な状態に持っていきます。

そして3つ目が加工です。
精錬された非鉄金属を実際に部品などの形に加工し、さらにその加工したものを使って自動車や精密機器などを製造します。

非鉄金属業界の現状と今後の動向

現在の非鉄金属業界では、この3つのビジネスモデルの分業が進んでいるのが特徴です。
複数のビジネス(工程)を手掛ける企業もありますが、ひとつの工程を専門に行う企業が多くなっているのです。
自然からの採取とリサイクルを一緒に行うのは難しい面もありますし、加工においては高度な技術が求められる傾向がますます高まっていることなども、その理由として挙げられます。

そしてもうひとつの特徴として、非鉄金属の中でも産出量が少ない金属の需要が高まっている点も挙げられます。
「レアメタル」という言葉が広く知られるようになりましたが、このレアメタルに分類されるニッケルやチタンなどの金属へのニーズがさまざまな業界で高まっており、重要なビジネスとして機能しているのです。
今後の非鉄金属業界としては、希少価値が高い非鉄金属をどううまく確保できるか、そのためにもリサイクルできる環境をさらに充実させていくことが求められています。
非鉄金属はIT機器にも広く使用されており、IoTをはじめとした社会のIT化とも深く関わっているだけに今後の動向が社会全体にも少なからぬ影響を及ぼすことも予想されます。