生かしきれる素材
近年日本の企業の製品は、安価な中国製や韓国製の商品に押されて売り上げが伸び悩んでいるとニュースなどでよく聞かれますが、そのような状況を打破するためのヒントとなるビジネスモデルをスペインの会社が実施しているそうです。
スペインの会社の製品は全般的にデザインが良く、かつ斬新なアイディアが活かされており、日本の会社にも学ぶべきところが多いのだそうです。
スペインの会社の中で特に大きな成功を収めている会社は、キッチン用品で世界的に有名な会社なのだそうです。
この会社の商品は、すでに日本でも販売されています。
この会社の一番のヒット商品は、シリコンを原料にしたキッチン用品の数々だということです。
シリコンのキッチン用品の中でも最もヒットしている商品は、電子レンジを使うことで、安全かつ簡単に蒸し料理を作ることができるという蒸し器なのだそうです。
また、この電子レンジ用の蒸し器を使った様々な蒸し料理のレシピも次々と登場してきているそうです。
さらに、電子レンジで野菜を温めることで、温かいサラダがつくれるというキッチン用品も、この会社では販売しています。
シリコンはもともと珪石と呼ばれる天然の鉱石から採取されている上に有害な化学物質を含んでいないため、安全性が高い素材として人気があります。
シリコンの素材は医療用品にも使われています。
その代表的なものは、豊胸手術で体内に入れられるシリコンバックです。
またシリコンは 約200度から300度という高温にも耐え、溶け出さないために、電子レンジに使うキッチン用品には最適の素材だと言われています。
さらに使い終わったら簡単に折り畳むことができるのもシリコンのキッチン用品の強みなのだそうです。
製品との向かい合い方
このようなシリコンのすぐれた特長にスペインの会社は着目し、これを自社の主力のキッチン用品に活かしていくとともに、見た目をかわいらしく、かつ華やかなデザインに仕上げることで、使う人にとって独特な付加価値をその商品につけることに成功しています。
またこの会社が販売しているキッチン用品は、公的な検査機関によって安全性が証明されているそうですので、これを使うと中国製品や韓国製品などにはみられない安心感も得ることができます。
人件費が安いというスペインのメリットを生かして、この会社では今でも自社の工場で製品を作り続けているということです。
日本の会社の中にも、付加価値のある製品を作り続け、製品の品質を保ち続けるために、顧客から受注した分しか製品を作らないという方針を貫いているところもあります。
日本製のロケットに使われているバネを生産しているある会社は、他の日本の会社が何とかグローバル化する市場の中で生き残るために必死にコストダウンを図っているのを尻目に、決して値引きをしない、妥協をしないというポリシーを貫いているのだそうです。
この会社の社長は、市場がグローバル化したからといってむやみやたらにコストダウンを図って売り上げを伸ばそうとしてもうまくいくものではない、と日本の他の会社に警鐘を鳴らすとともに、自らは妥協しない品質を保った製品を提供し続け、生き残りをはかろうとしています。