Adobeのビジネスモデルについて
AdobeはPhotoshopやIllustratorなどの非常に便利なソフトウエアを取り扱っている会社として人気を集めていました。
Adobe Creative Suiteというパッケージ化して、ソフトを販売することによって、大きな利益を上げていました。
特にパソコンなどを使って仕事をしているクリエーターからは絶大なる支持を集めてきました。
しかし、このパッケージソフトは完璧な物ではありませんでした。
一つ目の問題は定期的に単価が上昇することでした。
その様にしなければ会社を成長させることが出来なかったのです。
パッケージの売り上げは年間300万ユニットでしたが、それをあげるための方策を取ることが出来ないという難点がありました。
パッケージのアップデートの頻度が遅いという問題もありました。
1年半から2年のペースでのアップデートが行われていましたが、顧客はそれに満足していませんでした。
モバイルアプリが導入され始めたころでしたが、それに対してもAdobeは対応し切れてはいませんでした。
リーマン・ショック
2008年にリーマン・ショックが起きてしまうと、年間売上が20%も下落してしまいました。
対抗処置として、マーケティングに力を入れ、アップデートの頻度を高めることをしましたが、有効な方策とはなっていませんでした。
更には、利用者の減少も起こってしまいました。
そこで、Adobeは看板商品であった、Adobe Creative Suiteを諦めて、2011年11月にサブスクリプション型のパッケージであるAdobe Creative Cloudのリリースを開始しました。
このやり方ですと、一時的に収益を減少させることになってしまいます。
事実株価は大暴落をしてしまいました。
しかしながら、時間とともに収益が回復することになったのです。
最終的に経営状態は安定化を見せることになりました。
経営者の大英断が功を奏した形になっています。
経営者の視点
Adobeの経営者はいち早くAdobe Creative Suiteの弱点に目を向けました。
ドル箱商品ですので、弱点には目をつむりたいところではありますが、あえて弱点を検討して、それを補うことをするというチャレンジを断行したのです。
Adobeはいち早く、サブスクリプションに注目して、ビジネスモデルを転換してきました。
クリエーター人口は今後の増えることが予想されますので、彼らのニーズにマッチしたビ時ネスモデルを今後も提案してくれることが多いに期待されます。
リーディングカンパニー
Adobeはユーザーの視点に立って、いろいろなソフトの開発を行ってきました。
その視点を失わない限りにおいて、業界のリーディングカンパニーであり続けることでしょう。
これからもどのようなサービスを提供してくれるかという観点で業界での活躍を注目していきたいところです。