電子書籍化で新たなビジネスチャンスを狙う

電子書籍

広告展開

日本に先駆けて電子書籍全盛時代が訪れたアメリカでは、出版社がその収益の伸び悩みに苦しんでいるそうです。
特に紙媒体の雑誌の売り上げの伸び悩みは、アメリカの出版社にとってとても頭の痛い問題です。

これほどアメリカの出版社が雑誌出版の不況に苦しんでいる理由は、アメリカの雑誌の収益の広告料依存度がとても大きいことにあります。

アメリカでは、雑誌の発行部数は広告料によって決まるため、アメリカの出版社が雑誌の発行部数を伸ばしていくためには、その購読料の大幅な割引もやむを得ないという状況にあるのだそうです。

このような、長年広告料に頼って収益を得てきたつけが、電子出版全盛時代の今になってアメリカの出版社に大きくのしかかっています。

電子書籍の価格は出版社ではなく、電子書籍のプラットホームとなる端末を製造している会社に決定権があるため、これまでの広告料に頼るという方法では黒字になるほどの収益を得られなくなってしまったからです。

こういった背景から、出版社は収益を得るために、大きなビジネスモデルの転換を図っています。
その一環といえるのが、これまで雑誌に掲載してきた広告の進化系ともいえる新たなサービスの提供です。

こういった電子雑誌での広告展開は、テレビとインターネットのサイトの中間に位置するサービスとして今熱い注目を集めています。

サービスの展開

電子雑誌には、テレビのように音声の入った動画なども入れることができますので、よりリアルな現地の様子を伝えるための動画の入った旅行用のガイドブックを制作することも可能です。

さらに電子書籍のガイドブックでは、備え付けられている検索機能を使ってホテルの予約やレストランの予約といったこともできるそうです。

そして、より幅広い層の読者を対象にしたビジネスモデルとして、信頼性と専門性の高い雑誌を提供していくというサービスを展開することも試みています。

こういった専門性の高い雑誌の提供の例には、世界中の科学者や医療分野の研究者などに購読されている学術雑誌の電子版の提供があります。

こういった、世界中の科学者や医療分野の研究者などに読まれている学術雑誌は、最新の科学の研究結果を彼らが得るためのツールとして欠かせないものとなっています。

また、こういった科学雑誌に自分の論文や研究の成果が掲載されることは、これらが世界的に認められたということを意味しています。

さらに、世界的に有名な科学雑誌を購読することは、ライバル関係にある他の科学者や医療研究者の動向をいち早く把握するのにも欠かせないツールです。

さらに、紙媒体の雑誌よりも関連情報にアクセスしやすいことから、世界的な科学雑誌の電子版は、大学図書館などでの購読のニーズも高まっているそうです。

アメリカの大学図書館だけでなく、日本の国公立大学においても、世界的に信頼性のある科学雑誌の購読のニーズは高まっているそうです。