安心と安定
ネット販売で成功したビジネスモデルの代表格としては、食品販売が挙げられます。
たとえば、無農薬栽培や有機栽培などコダワリの農業をしている農家が、直接ネットで消費者に野菜や米などを販売するという形態があります。
従来は農協などを通じて一括して買い取られ、市場に流通していくというのがルートでした。
分け前は全農家で分けられたり、手間やコストをかけてコダワリの野菜を生産しても、適切な評価を受けたり、適切な値段が付くことは少なかったのです。
ですが、ネット販売により直接消費者に届けることで間口が広がり、価格も正当な評価を受けることができるようになります。
特に近年は安心で安全な食材を求める消費者が増えており、そのためには多少の値段の高さは仕方ないと考える人が少なくありません。
米の定期配送や野菜の定期宅配などと組み合わせれば、安定した収入も得られるでしょう。
また、ケーキやパンなどの販売でもネット販売で成功しているビジネスモデルがあります。
一般的なオンラインショップでは実店舗があり、かつネットでも販売しているという形が主流です。
ですが、とあるケーキショップでは実店舗がありません。
地方の一角で当初はご夫婦2人だけで工房を持ち、ネット限定で販売を開始しました。
なぜネット販売オンリーにしたかといえば、2人で心を込めて作ったコダワリのお菓子を全国の人に食べてもらいたかったからだといいます。
世界展開
ネット販売のメリットは田舎にあるお店であっても、全国展開ができることです。
中には海外在住の方が日本国内にいる家族に注文するというケースもあるといいます。
ネット販売は世界中の人を顧客にできるといっても過言ではありません。
また、気を付けている点として、ネット販売のケーキは冷凍で送るのが主流で、店頭で扱う生ケーキとは材料や作り方に工夫が必要ということです。
また、接客はサイトやメールを通じての交流が主流となり、対面ではない分、実際に会う接客以上に心を込めないと伝わりません。
ネット販売に特化するための工夫や想いが評価されたのか、あるテレビ番組で取り上げられたのをきっかけに一気に売り上げが伸び、今ではショッピングサイトでトップクラスの売り上げを誇るようになっています。
売り上げ増に伴い、製造のためにパートスタッフを雇ったほか、温度管理がしっかりし梱包や出荷作業まで手掛けてくれる冷凍倉庫を借りました。
それまでは保管場所が限られているため、過度な在庫を持たず、ほぼ受注生産でした。
しかし、それでは受注増に追いつけません。
クリスマスなどのイベントの繁忙期以外に、冷凍倉庫にストックを増やすことでスムーズな受注が可能になったといいます。
ストックのおかげで繁忙期でもサイトやメルマガ配信ができるようになり、更なる売り上げアップに繋がっています。