着物をドレスにリサイクルする季縁のビジネスモデル

季縁とは?そのこだわりについて

季縁とは、京都を拠点に着物をドレスに「アップサイクルする」ことをコンセプトに掲げているファッションブランドです。
この「アップサイクル」とは、着る機会がなくなった着物を回収し、ドレスに作り変えることで新たな価値をもたらすことを意味しています。
簡単に言えば、「着物からドレスを作り出して製品として販売している」ブランドなのです。

季縁では「持続」と「継承」を重要な理念として掲げており、着る機会がなくった着物を再利用することによるそして着物のよさ、着物に宿っている日本の伝統を生かしたうえでドレスに作り変えることで伝統を継承することを大きな目的としています。
単にリサイクルするだけでなく、良さを継承しつつあらたな魅力を引き出す、それを「アップサイクル」という言葉で表現しているわけです。
しかも単に着物をドレスにするだけでなく、京都の職人が手掛ける染めや刺繍、洗張といった作業を通してアップサイクルが行われており、着物本来の質の高さを活かしたうえで新たなドレスを生み出しています。

季縁のビジネスモデルについて

着物のリサイクルを通して新たな価値をもたらすビジネスを行っている季縁ですが、それがもたらすビジネスモデルも多彩です。
例えば、母親や祖母が着ていたけれどももう着る機会がなくなった着物をドレスに生まれ変わらせることで、再び着る機会を創出することができます。
「継承」とは伝統だけでなく、着物を受け継いできた人たちの思い出や思い入れも含まれているわけです。
また、リサイクルとアップサイクルを通して見知らぬ人同士を結びつける「縁」だけでなく、先祖と子孫を再び結びつける「縁」をももたらすことができます。

しかもアップサイクルすることで、オリジナリティに溢れたドレスを作り上げることができます。
フォーマルな場に着ていっても他の人とかぶるといった心配がありませんし、懐かしい着物を最新のデザインに「アップデート」することで、伝統や思い出を継承しつつ、ファッションアイテムとしての価値を新たに見出すこともできます。
リサイクルをメインに行うビジネスなのでSDGsの概念にも合っていますし、アップサイクルを押して伝統的な着物職人に活躍の場を提供することができます。
こうした職人の技、伝統を「継承する」点も重要なビジネスモデルとなっているのです。

さらに、これまで挙げてきたようにもともとの着物の持ち主がリサイクル・アップサイクルを依頼するケースが多くなるため、顧客との深い信頼関係を確立しながらのビジネスとなります。
こうした信頼の積み重ねは企業としての信頼性やブランド価値を高める上でも非常に有効なものであり、現代のマーケティング・ブランディングの観点から見ても興味深いビジネスモデルと言えます。
着物をという日本を代表する伝統を扱いつつ、新しいビジネスモデルを提案しているのが季縁の特徴です。