ワークマンの戦略とは
職人向けの作業服を販売する店として知られるワークマンは、近年新たな経営戦略により大きく業績を伸ばしています。
ワークマンは当初は職人の店をコンセプトに知名度を高め、全国展開を行っていました。
しかし、リーマンショックを境に好調だった業績に暗雲が立ち込め始めます。
その打開策として行われた戦略が「自社ブランド」の開発です。
とにかく機能性と低価格にこだわった自社製品を開発したことにより、これが職人以外の一般層にも大当たりします。
これにより作業服の需要が職人以外にもあることに気づき、ワークマンの大躍進が始まるのです。
自社製品の強みはアウトドア市場にあると気づいた結果
一般層にも作業服の機能性は需要があると気づいたワークマンは、その強みを活かす市場としてアウトドア市場に目をつけます。
しかし、アウトドア市場には国内外に専門店的な大手ブランドが存在していたため、参入はかなり困難な状況からスタートしました。
市場研究を重ねたワークマンは、次第にアウトドア製品はどの企業の製品も高価格であることに気が付きます。
そこで、高機能な自社製品を低価格でアウトドア市場に参入させるために、一般層向けの高機能ウェアの販売店であるワークマンプラスの展開を開始したのです。
多くの方が御存知の通り、このワークマンプラスは開店初日から大盛況で、あまりの反響に社員もおどろいたほどだったそうです。
この反響を受けて、ワークマンは既存の店舗をワークマンプラスヘと変更し、その店舗数は開始から約3年間で270以上にまで増加するほどの急成長を見せたのです。
ワークマンの情報発信戦略
ワークマンが近年業績を伸ばした理由の1つとして、アンバサダーを活用した情報発信が挙げられます。
ワークマンでは、ユーチューバーやキャンパー、そしてファッションアナリストなど、各分野の専門家をアンバサダーとして迎え入れ、情報を発信してもらっています。
つまり、各分野において影響力のある人物に自社の製品を宣伝してもらうことで、自社製品へ興味を持って貰う人を増やす戦略を取っているのです。
製品開発においてもアンバサダーに協力してもらっているため、ユーザー目線での製品開発が可能となり、需要に見合った商品を販売することが可能となっています。
こうしたアンバサダーたちの協力もあり、ワークマンの製品は機能性だけでなくデザイン性にもこだわりを見せはじめます。
その結果、「ワークマン女子」に代表されるような、作業服からは縁の遠かった女性の顧客の獲得へもつながっていったのです。
作業服の専門店だったワークマンがここまで幅広く事業を展開することができているのは、緻密な市場研究と発想の柔軟さの賜であると言えるでしょう。