AKB48グループの躍進
2014年現在、AKB48をテレビや雑誌で見ない日はないと言っても過言ではありません。
国民的アイドルグループとして躍進を遂げた彼女たちは、秋葉原を中心に活動しています。
最近では名古屋・栄のSKE48、大阪・難波のNMB48、福岡・博多のHKT48といった姉妹グループ(通称:支店)も誕生しています。
さらに、公式ライバルと位置づけられている乃木坂46も含めると、AKB48グループの活躍は留まるところを知りません。
AKB48が人気になっている理由は、恐らく、ルックスや楽曲の良さというところにあるでしょう。
しかし、彼女たちを支えているのはそれだけではありません。
CDのミリオンヒットがあります。
つまり、100万枚以上のセールスを上げているということですが、単純に良い歌だから売れたということではありません。
CD不況と呼ばれる昨今、ミリオンヒットを連発しているのには理由があります。
いわゆるAKB商法と呼ばれるビジネスモデルであり、アイドル業界を中心に大きな革命をもたらしたものであると言えます。
握手券や投票券を購入する
AKB商法の中核を握るのは、CDに同封されている握手券やAKBグループで行われる総選挙の投票券。
つまり、CDを買うことでアイドルに会うチャンスが生まれたり、自分が好きなメンバーに人気投票ができたりするということです。
握手会は全国、とりわけ東京や名古屋、大阪、福岡、札幌といった大都市を中心に開催されます。
シングルCDが出るたびに彼女たちは全国へ行き、それとともに多くのファンが付いてくるということなのです。
握手券で会える時間は1枚あたり数秒です。
複数枚出して長時間話すという方法もあれば、何周もするというケースもあります。
また、複数の推しメン(自分が好きなメンバー)と握手することもできます。
総選挙であれば大勢のメンバーの中から、自分の推しメンに投票することになります。
もちろん、AKBグループの何十人、何百人といるメンバーには、それぞれ多くのファンが居ることから、自分が投票したからと言って、必ずしも好きな子が一位になるとは限りません。
しかし、CDを大量に購入することで複数の投票ができるのです。
その結果、AKBグループのCD売上は爆発的なものになりました。
中高生のファンは1枚買うのが精いっぱいというケースもありますが、いわゆる大人買いによって握手券や選挙への投票券を購入することができるのです。
これが、AKB商法の概要でしょう。
コンテンツビジネスの変化
AKB商法が成功するには大前提があります。
それは、アイドルとして魅力的であることです。
いくら握手ができるからと言って、彼女たちが一般人だとしたら握手しないという方も多いでしょう。
ルックスやキャラクターも関係するでしょうし、歌唱力、ダンスパフォーマンスといったスキルに惹かれているファンもいるかもしれません。
また、彼女たちのドラマを応援している方も居ると思います。
アイドルとして高いコンテンツ力を持っていることが根底にあるのです。
本来の考え方からすれば、握手券はいわばオマケです。
ビジネスモデルとして応用するためには、売り手が高いコンテンツ力を有していることが必要です。
ご自身が販売するものに付随するオマケを付け、それに対して消費者が価値を見出せると判断した時に有効な手法となるでしょう。