タイムリーな話題に
世界中で長く行われているビジネスモデルの一つに、追悼商法と呼ばれるものがあります。
これは読んで字のごとく、最近亡くなった歌手やタレントなどの有名人にちなんだグッズを売りさばく商法です。
この商法は、有名人の人気にあやかって行われる商法の一種なので、便乗商法の一種とも考えることができるでしょう。
この商法は、有名人とはいえ他人の不幸に乗じてもうけようとする感がぬぐえないため、あまり好ましくない感情を抱く人も多いようですが、亡くなった有名人のファンの中には、関連グッズを手にして有名人をしのんだり、懐かしんだりする良いチャンスであると考えている人も多いようです。
追悼商法のおかげで、亡くなった有名人のファンにとっては、絶版になったその人の書籍やCD などを入手できるチャンスが増えるかもしれません。
こういった追悼商法で販売される関連商品は、歌手であればその人のCD、俳優やタレントであればその人の出演しているDVD、あるいはこれらの有名人のドキュメンタリーの書籍などが多いです。
追悼商法が世界的に一番大規模に行われたのは、2009年6月に急死したマイケル・ジャクソンをしのぶ関連商品の販売でしょう。
マイケル・ジャクソンは、世界的に有名な大歌手であったため、CDからドキュメンタリーの書籍、果ては未公開の秘蔵の映像が入ったDVDまで、様々な関連商品が販売され、その売り上げも随分伸びたといわれています。
またマイケルのドキュメンタリーは死後にアメリカの映画会社によって映画化もされました。
この映画の興行収入は、日本でも6億円以上の巨額なものとなったそうです。
日本での追悼商法の歌手として有名なのは、美空ひばりさんです。
現在はあまり美空ひばりさんの関連商品は販売されなくなったものの、少し前までは、美空ひばりさんの全曲集のCD などがよく販売されていました。
既に認知されている為に
このように追悼商法は、宣伝費をかけなくても大勢のファンが関連商品を購入したりなどしてくれるため、関連商品の売り手側にとっては、またとないビジネスチャンスであるといえるでしょう。
そのためか、実店舗よりも素早く立ち回ることができるネットショップでは、有名人が亡くなると、すぐに追悼関連商品を集めた専門のコーナーを設けたりしています。
実際、有名人が亡くなると、その関連商品の売り上げが伸びる傾向にあるそうです。
こういった現象は、追悼特需と呼ぶことすらあります。
企業はもちろん、個人でも、有名人が亡くなるとその関連商品をオークションに出して誰かに買ってもらおうとする人も少なくないようです。
しかし、追悼商法は行う店舗が有名人の関連商品の特需で儲けられるとうれしそうな顔をしてしまいますと、熱心なファンの人たちからの怒りを買うことになりかねないそうです。
特に日本では昔から、人の不幸で飯を食べようとする商売を白い目で見る傾向が強いそうですので、追悼商法には葬儀ビジネスと同じく一定の配慮が必要になりそうです。