一度きりの商売より
利用客を囲い込むビジネスモデルの別の形には、利用客にもう一度自社の店舗やサービスを利用してもらうための様々な工夫を施すというものがあります。
美容室やネイルサロンなどでは、リピーターの利用客を増やすために、同じ店舗でサービスを利用し続けるとより多額の割引が受けられるようになるなどの特別な会員システムを提供し、より多くの利用客にリピーターになってもらうことを目指しています。
千葉県にある日本最大のテーマパークにおいても、リピーターを呼び込むための戦略に趣向を凝らしています。
このテーマパークでは近年、新しいアトラクションを増やすよりも、利用客に何度もテーマパークに足を運んでもらうため、開催するショーやイベントに注力するようになったということです。
年に何度もテーマパークに足を運ぶ利用客に向けては、テーマパークで開かれるパレードに参加できたり、テーマパークの関係者がパークを案内してくれるという特別な特典が受けられる宿泊プランを提供しています。
この特別な宿泊プランでは、テーマパークのキャラクターによるプレミアムなショーも開催されるのだそうです。
さらにこのテーマパークでは、しばらく足が遠ざかっている利用客に向けては、誕生日に使えるの割引チケットを提供するなどして、記念日をきっかけにまたテーマパークに足を運んでもらおうという戦略をとっています。
バイク買取の業者でも、リピーターの利用客が多いところがあります。
口コミで多くのリピーター客を獲得している業者は、査定士がきちんとバイクに見たり触れたりして確かめながら査定をするなどの工夫をこらしています。
しかしネットショップでは、リピーターの獲得が思うようにいかないのが悩みの種となっています。
定期的な解決法
ネットショップでは、多額の宣伝費をかけて新しい顧客を呼び込んでいるのにもかかわらず、リピーターとして定着してくれる顧客よりも、一度きりしかそのネットショップを利用しないという顧客のほうがはるかに多いというのが現状です。
そこで、こういった悩みを何とか解決しようと考案されたのが、通販で顧客に定期購入をしてもらい、毎月商品を購入するリピーターになってもらおうという、定期購入戦略のビジネスモデルです。
この商法は、ネットショップの業界の中で急速に広がりをみせています。
この定期購入戦略の商法は、雑誌の定期購読をヒントにして生まれたものなのだそうです。
この商法は、毎日仕事で多忙な顧客のニーズを業者がくみ上げているのがポイントです。
顧客は一度購入の申し込みをすれば、業者が厳選した選りすぐりの商品のセットを定期的に購入し続けることができます。
このような定期購入し続けることができる商品には様々な種類のものがあります。
月替わりの冷凍食品やスイーツなどのグルメ、季節ごとの生花、お正月やひな祭り、端午の節句や夏休みなど、四季折々の風物詩を再現した人形作品など、実用から趣味のものまで、ジャンルも多岐にわたります。
また、定期購入戦略のビジネスモデルには、利用者にとってのメリットも大きいそうです。
その理由は、その分野にすぐれたいわゆるスペシャリスト、専門家が選んだ商品を購入できるために、購入できる商品のクオリティが高いことにあります。