人材派遣業界の特徴
人材派遣とは、顧客となる企業の要望に応じて、適した人材を派遣するサービスです。
似たようなサービスに人材紹介サービスやアウトソーシングなどがあります。
人材派遣業界に属する会社が手掛けている企業の多くは、中小企業という特徴があります。
人材派遣業界の現状と動向
人材派遣業界の現状は、市場規模が拡大していくだろうという見通しです。
我が国では現在進行形で少子高齢化が進んでいるため、今後ますます労働人口が低下していくことは間違いありません。
そんな中、企業は運営を維持するために人材を確保しなければいけません。
これは大企業・中小企業かかわらず、社会の課題となっているほど状況は深刻です。
そうした社会状況も相まって、人材確保に大きく関わることができる人材派遣業界は今後ますます業績を伸ばしていくだろうと言われているのです。
人口の減少以外にも、人材派遣業界にとって追い風になっているのが転職市場の活発化です。
終身雇用が成り立たなくなってきた現代社会において、昔よりも転職のハードルはガクッとさがりまた。
業種を超えたキャリアチェンジはもちろん、働き方の多様化や求人の検索のしやすさも相まって、いつでも仕事を変えられる時代になったと言えます。
こうした状況も、人材派遣業界にとってはチャンスと捉えることができます。
つまり、新しい求職者が増えれば増えるほど、派遣会社が間に入ってマネージメントできる母数が増えるというわけです。
さらに言えば、2021年4月から始まった同一労働同一賃金制度も人材派遣業界に取っては嬉しい政策といえます。
派遣会社社員といえば、正社員に比べて待遇が悪く、非正規雇用故の後ろ暗さというものが付きまとっていました。
しかし、この制度が始まって以降、派遣社員と正社員の待遇の差が埋まりつつあります。
派遣でもきちんと稼げて正社員と同じ待遇を得られるのであれば、以前よりももっと働き方の手段として派遣を選ぶ人も増えていくでしょう。
このように社会状況的にはとても追い風の人材派遣業界ですが、今後の動向としては業界特化型のサービス提供がますます広がっていくと言われています。
IT系の職種や看護系の職種に特化した派遣サービスは以前からありますが、今後は農業関係やシニア世代をメイン層とした人材派遣サービスが求められるようになってくるでしょう。
時代や社会の状況に合わせて、柔軟にサービスを展開することができれば、人材派遣業界のフィールドはさらに拡大していくことができるでしょう。
反対にいえば、新しい働き方やAIなどの最新技術の台頭に対応できなければならないということでもあります。
好調な業績にあぐらをかかずに、社会の急速な変化に対応できた人材派遣サービスが生き残れるという見方も忘れないことが大切です。