押し買いの手口とは
押し買いとは、突然自宅を訪問して、貴金属などの買い取りを行う営業のことです。
通常、貴金属の買い取りは所有者が古物商などに依頼して、きちんとした査定を経て、その金額に納得した上で買い取り契約が結ばれます。
しかし押し買いの場合は、嵐のように自宅に押し掛け、半ば一方的に貴金属を奪うような形で買取っていくというかなり悪質な手口となっています。
骨とう品や貴金属など、古い品物を取り扱うためには古物営業法に則った許可証が必要です。
しかし、押し買いをおこなっている業者の多くは許可証を取得していないものが多く、たとええ持っていたとしても、その法に従ったやり方で商売をしていないという特徴があります。
押し買い業者は、1人暮らしの女性や認知症のご老人を狙うことが多いとされています。
周囲に人がいないことで冷静な判断ができないような状況に追い込まれてしまうので、1人の時は知らない人の訪問に応答しない方が賢明でしょう。
実際に合ったトラブル事例
とあるご年配の女性の自宅に、突然訪問してきた男性が「不要な貴金属を買い取りますと」頼んできました。
きちんと許可証も所持しているという言葉と、名刺をもらえたということから、その女性は自身が持っていた指輪を鑑定してもらうことにしました。
男性は指輪を鑑定する様子を見せていましたが、突然5千円を渡され、女性に領収書に署名をさせるとそのまま帰宅してしまいました。
あまりの勢いに女性はなすすべもなく男性の言葉に従ってしまいましたが、後々落ち着いて考えると5千円は安すぎるし、完全に詐欺だったと後悔しているそうです。
押し買いに合わないための対策
押し買いの被害に合わないためには、以下の3つのポイントを押さえることが大切です。
1つ目は、毅然と断る態度を貫くことです。
悪質な押し買い業者の場合、こちらが弱気な姿勢を見せると、脅しのように恐喝してくる人もいます。
しかし、買い取りの依頼をするつもりがないのであれば、そこは毅然とした態度で帰ってもらうことが大切です。
あまりにしつこいようでしたら、その場で警察を呼んでしまっても良いでしょう。
2つ目は、1人で対応しないことです。
悪質な押し買い業者の場合、貴金属を半ば強奪する形で奪っていくこともあります。
そういった人に対して1人で対応するのは危険なので、近くに家族がいれば同席してもらうと安心です。
そして3つ目は、取引を行う前に買い取り条件などを書面で確認することです。
きちんとした業者であれば、こうした条件面や買い取り対象商品一覧などの用意はあるはずです。
質問してもうやむやな答えしか返ってこない場合などは、高確率で押し買いなので早急にお引き取り願いましょう。